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《Eternal bells…… 》

第21章 純粋な狂気

ードカッ!バキッ!バキッ!
戸を蹴破る総司、、


部屋に飛び込むと、男は刀を抜いていた…

「なんじゃてめぇ!!」

「許さない…」

ー!!!



総司が刀に手を掛けた瞬間…

ーザシュッ! シュパッ

男の胴と首から血が吹き出す…
崩れ落ちる男…




ダダッ…
麗美に駆け寄る総司。

「麗美さんっ!」

総司は縛られた縄を脇差しで切り外す。

美しい顔には痣があり、やつれていた…


震える腕で麗美を抱き締める…



(どうしてっ?!…酷すぎるっ…)

総司の瞳から涙が零れた…


「……泣いて…るんですか…?」
掠れた声で麗美が言った。

「麗美さんっ…もう大丈夫です。
家に帰れますよ…グスッ…」
涙を拭い笑いかける…


「私を知っているんです…か…?」


(麗美さん…?!)
腕を緩めると、麗美は不思議そうな
顔で総司を見つめた。


「…総司ですよ…分かりませんか?」
優しく聞く総司。


(総司……?誰…?…)
じっと総司を見つめる…

「…ごめんなさい。分からない…です」


ー!!!
(まさか……そんな…)

「いいんですよ…生きていてくれただけ
で充分です。さあ、ここから出ましょう」


「……出る?ここから…?」
不安そうな顔で聞く…

「そうです、もう怖い思いはしなく
ていいんです」
ーギュッ……
もう一度抱き締めた…


(……暖かい…)



「さあ、着替えましょう…」



部屋の隅に着物と鈴が付いた根付け…

衰弱した麗美にそれらを着付ける総司…
自分の羽織を麗美に掛けると、麗美をおぶって部屋を出て行った…。





空には星が見え始めていた、、

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