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《Eternal bells…… 》

第22章 夢の終わり

道がわからない麗美は、キョロキョロしながら歩いていた、、


人が多い通りに入ると…




「麗美さんっ!」

ー?!!

名前を呼ばれ、振り返ると女性に抱きつかれた…



「あの…どうしましたか?」
戸惑う麗美。


「無事だったんですねっ!居なくなっしまって、皆心配してたんです。
良かった…グスグスッ…」
泣き始めてしまった…


(私を知ってる人?!)


「私の事を知っているんですか?
記憶が無くなって、何もわからないんです…」


ー!!!
「え…?!グスッ…記憶が?そんなっ…私の事分かりますか?!あぐりです!」


(やっぱり思い出せない…)

「ごめんなさい…自分の名前しか覚えていないんです…」
悲しげな麗美…


(麗美さんに一体何が?!とにかく栄太さんの所に…!)

「帰りましょう…栄太さんも心配してます。私が旅籠まで一緒に行きますから」


「栄太さん…?その人は……?」


「麗美さんと恋仲の人です…。ひと月前に麗美さんは行方不明になってしまったんです。今は何処に…?」
麗美と手を繋ぐあぐり…


(夢の人はその人…?)


麗美は迷った…。総司に黙って外に出て、何も言わずに家に帰ってしまっていいのか…。
総司は自分を帰らせてくれないかもしれない…。それでも助けてくれて、面倒を見てくれた総司を蔑ろには出来ない…。


悩む麗美の手をクイクイと揺らす…
「とにかく私に着いて来てください」

早く栄太達の元に麗美を連れて行きたいあぐりは手を引き歩き始めた…







三条小橋が見える辺りに来ると、あぐりと繋いだ逆の手を強く掴まれた…



ーグイッ
「麗美さん♪こんな所に居ましたか。さあ行きますよ」
浅葱色の羽織姿で、目が笑っていない総司…

強く引き寄せ二人の手を離させた…


「総ちゃん…」


「沖田さん…麗美さんを何処へ…?」
総司の雰囲気に違和感を感じるあぐり…


「急ぎの用事があるんです。ね?麗美さん♪」
痛いほど麗美の手をグッと握る…


(総ちゃん…怒ってる…)

「そうなんです…また今度連れて行ってくださいね」
ニコッ…麗美は無理に笑った…

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