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《Eternal bells…… 》

第22章 夢の終わり

藩邸ー




「麗美さんを、町で見つけたんです!そうしたら沖田さんが来て、連れて行ってしまって…後をつけたら屋敷に入って行きました!グスッ…」
必死に話す…


「沖田だと?!今すぐ行く!何処の屋敷じゃ?!」
キレる栄太。


「おい!栄太!最後まで話を聞け!
あぐりちゃん、話してくれ」
と、晋作。


「沖田さん…怖い感じで…麗美さん不安そうで…。
それと……麗美さんは記憶を失っているみたいなんですっ…。何も覚えて無いって…グスッ…」



ー!!!

「記憶が無い…だと?マジかよ…」
青ざめる晋作…


(もう我慢出来ん…取り返す!)

「晋作、行かせろ!
沖田がまた麗美を何処かに隠したらどうしよる?!僕は麗美を今すぐ迎えに行くんじゃ!」


「急に行ってど~する気だ?沖田と殺り合いになるぞ!麗美は記憶がねぇんだぞ?!」
怒鳴る晋作。


「沖田さんは多分巡回中に抜けて来た筈です…もしかしたらまた屯所に…」
新選組に詳しいあぐり。


(なるほどな…沖田を屋敷に近づけなければ良いんだな…)

「おい、栄太、麗美を迎えに行け。
俺は壬生狼と遊んで時間稼いでやるよ。
絶対に連れ戻せ!」




ドドドド…
ースパンッ!!

「麗美は何処じゃ?!ハァハァ…」
汗だくの玄瑞現れる。


「ゼェゼェ…麗美さんっはっ?」
桂も現れる。



ーシュタッ…
「麗美ちゃんは何処に?!」
翠蓮も現れた。



「あぐりちゃん!場所は?!」


「河原町通りから、四条に向かって壬生の手前の通りを下った、植木で囲まれた屋敷です!早く!」


ーダダッ…
飛び出す栄太…




「佶摩はどこだ?」
晋作は机で紙に何かを書き始めた…


「新兵衛達の所だ!麗美は無事なんか?!おい!聞いてるんか晋作!」
興奮している玄瑞。


「麗美は栄太に任せておけ…
翠蓮、これを新兵衛に届けてくれ、その後は壬生狼の屯所付近を見張って欲しい。沖田の動きを特にな…。
玄瑞、俺達は屯所に挨拶しに行くぞ……ニヤッ」

立ち上がる晋作。


「行くぞっ!…」
ーダダッ…



飛び出した玄瑞の後を晋作は追って行く…
翠蓮もいつの間にか消えていて、残されたあぐりと桂は皆の無事を祈りながら待つのであった…








(…麗美…今行くけぇ…)




京の町が橙色に染まって行く、、

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