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《Eternal bells…… 》

第22章 夢の終わり

日が沈み暗くなった頃、、


栄太はあぐりに聞いた地域で走り回っていた。植木の囲いの屋敷が何軒もあったのである…



(何処だ?!早く会いたい!)



焦りながら、一軒ごとに庭から覗いて確認して行く…

その時、植木の向こうに梅の花が咲く屋敷を見つけた。
そっと近寄り植木の隙間から覗く栄太…

縁側で一人佇む女が見えた…
手燭の灯りがほんのりと照らす茶色い髪…



ー!!!

「麗美っ!!」
栄太は思わず叫んだ



麗美は周りを見渡すが、再びぼ~っとしてしまう…栄太は刀を抜き、植木を斬りつけ庭へと入った。

ーバサバサッ…
ダダダッ…





ー?!!
「誰ですか?!」

いきなり目の前に現れた男に驚いて、後ろのめりになる麗美。



「やっと見つけた…麗美、帰ろう」
麗美の隣に座る栄太。


(この人も私を知ってるの…?)

「あの…貴方は誰ですか?」
少し腫れた目で栄太を見つめる…



(本当に記憶が…。泣いてた…?何かされたんか…?)


ー…フワッ…ギュッ…
麗美を抱き締めた…


ー?!///

「あのっ!なにをっ?!///」

突然の事に驚いた麗美…甘い香りと身体を包む温もりに心臓がドクンと跳ねた…



栄太は麗美の髪に顔を埋める…

(やっと触れられた…。もう離さない…)

「僕は栄太だよ、麗美の恋仲だ。
ずっと捜しちょった…だから帰ろう」


(あぐりさんが言っていた人…この人が私の?それなら…)

「栄太さん…金の鈴知ってますか?」


「勿論知っちょる、麗美に貰ったんだ。これもね…」

栄太は身体を離すと懐中時計を出して、根付けに繋がる鈴をチリンと指で弾く。


ー!!!

(同じ鈴…。夢の人はやっぱり…)


じっと栄太を見つめる…


麗美の澄んだ瞳…ぽってりとした赤い唇…
陶器の様な白い肌…ずっと触れたかったその存在に堪らなくなった栄太は、優しく唇を重ねる…

ーチュッ…


そっと離し頬を両手で包み、栄太は優しく微笑んだ…。


(何でこんなに心地良いんだろう…)


ほっこりと暖かい空気が二人を包む…
栄太は再び麗美を抱き締め、耳元で囁いた…

「一緒に帰ろう…」


ーコクン…
麗美は頷いた…




ーカタッ…

「帰す訳にはいきません。
貴方も麗美もね…」

座敷の入口には、総司が立っていた、、

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