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《Eternal bells…… 》

第23章 いっくんの改心

吉田屋に居る間に総ちゃん達の新選組は、
桂さんや栄太さん達の敵である事を聞いた。
皆が成し遂げようとしている事や、現在の京では私達はお尋ね者だと言う事も…






吉田屋から旅籠に戻って来たのは夜中。
私は昼から発熱してしまい、また栄太さんに運んでもらう事に…玄瑞さんに包帯
を替えて貰い今に至る…




「そんなに傷は深くなかったが、傷痕は残ってしまうな…おなごなのに酷だ…。
膿がひけば熱は下がるが、暫くは動い
たらいけんぞ」
栄太の包帯を変えながら言う玄瑞。


「はい…ハアハア…ありがとうございました」


「僕がついてるから大丈夫っちゃよ」
と、栄太。

「頼んだぞ、栄太もちゃんと休め。
布団は俺が持って来るけぇ」
と、玄瑞。

「布団はいらん、一緒に寝る」
我が儘な栄太君。

「駄目だ、それでは麗美ちゃんが
ゆっくり休めんだろうが…まったく。
持って来るからな」


ースッ パタン
玄瑞は部屋を出た。


直ぐに布団を持って来た玄瑞に、
不満そうな顔をしながら布団を
受け取った栄太は、麗美の布団に
ピッタリくっつけて敷いたのだった。





「…僕のせいでごめん…こんな痛い思い
させてしまって…」
額の手拭いを替える栄太…


「…ハア…栄太さんは悪くない…
私が悪い…から。右腕…私のせいで
ごめんなさい…」

「僕の傷は大した事ないけぇ…
それより…これ…」

懐から何かを取り出し、麗美に差し出す…
それは、あの簪だった…


ー!!!
「この簪……」

麗美が夢で見た簪だった…


「麗美を拐った奴等の長屋に落ちちょった。これは、祇園祭の時に僕が麗美に贈った物っちゃ」
嬉しそうに言う。


「…夢で見たんです…花火も、簪も…」
夢の中の人は栄太だと確信した…

「その日から、恋仲になったんだ…」
懐かしむ様に言う栄太…

「…栄太さん…今までの思い出を…
聞きたいです…」



栄太は頷き、話始めた…
麗美と出会った時の事…麗美が未来から
来た事…皆と…自分との思い出…




話を聞きながら眠ってしまう麗美…
麗美の布団に潜り込み、隣に寄り添う栄太…


(事が終わったら…夫婦になろう…)


隣に敷いた布団は結局意味無しのまま、
栄太も眠ってしまった…





外は朝日が昇り始めていた…

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