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《Eternal bells…… 》

第25章 桜香先生

大高家の長屋ーー


店奥の座敷の壁には
ローマ字表とアラビア数字表
が貼られている、、

机に並んで勉強するのは、、
以蔵と3人の子供達、、


「壱助兄ちゃんは凄いなぁ!
もう、あらびや数字覚えたん?!」
と、少年。

「桜香先生の一番弟子なんやろ?
他には何を習ったん?」
と、おかっぱ少女。


「異国言葉もじゃ♪ローマ字の唄も
あるがじゃ」
楽しそうな以蔵。


麗美が店の仕事をしている間は、奥の座敷
で勉強していた以蔵。いつの間に大高の
子供達まで一緒に学んでいる。
覚えの早い以蔵は、子供達の先生役も
していた。





ーパチパチパチ…
麗美の算盤の音…


「桜香が洋学に詳しいとはなぁ。
子供達も楽しそうでほんま有り難い」
ーナデナデ…
キラキラ☆眩しい大高さん。


「いいえ♪私の知識なんて大した事
ないです」
ニカッ♪



すっかり大高に懐いた麗美…
父親の愛が溢れる大高の側は居心地が
良かった。栄太もすっかり大高と仲良く
なり、二人で兵学について熱く語ってい
る事もあった…。



ーバタバタバタ…

「父上!壱助兄ちゃんと甘味食べに
行っていい~?」

子供達と以蔵が出て来た、、

「もう勉学は終ったのかい…?」
父、又次郎。

「今日のはもう終りよった♪なぁ、
いいやろ?」


「ほなら、行ってええぞ。
壱助はんお願いして宜しおすか?」
子供達に金子を渡す父。

「大丈夫じゃき。
桜香っこにも団子買って来ゆう」


「いっくん、国言葉は駄目だよ。
気を付けてね」

外では土佐訛りはまずいと思い、
訛らない話し方も練習していた。
実は頭が良かった以蔵…。




子供達と手を繋ぎ、店を出て行った、、

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