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《Eternal bells…… 》

第25章 桜香先生

甘味屋ーー

以蔵達は甘味を食べ終わり、店の中で
土産用を包んで貰っていた、、

大高兄弟の一番小さい坊主は、店の外に
しゃがみ込み、真剣な顔で紙とにらめっこ
している、、

(Skyはそら…Seaはうみ…Landはりく…)

麗美が書いてくれた紙を何度も繰り返し
見ていたのだった…。


「凄いね…これは異国語かな?
まだ小さいのに偉いなぁ♪私にも
見せてくれるかい?」


ービクッ!

「うわぁ!」
驚いて尻餅つく坊主。


真横には眼鏡をかけた優しそうなお兄さん…


「驚かせてしまったね…。君は塾に
通っているのかい?」
ふわりと優しく微笑む兄さんは、
坊主を立たせてくれた。


「塾には行っとらん。僕の家で桜香先生
が毎日教えてくれるんよ。桜香先生は
美人で優しゅうて♪僕は勉学頑張って、
桜香先生を嫁に貰うんや!」
エッヘンと腰に手をやる坊主。


(女性の洋学の先生か…珍しいなぁ…)

「私も桜香先生に会ってみたいな♪
誰でも教えて貰えるのかい…?」
キラキラ☆

「えっと……『虎太郎~!帰るぞ!
はよう来い!』
兄が坊主を呼ぶ…。

「僕行かなあかん…
おじちゃん、ほなな~!」
ーパタパタ…


(おじちゃん…ですか…シュン…場所を
聞けば良かった…)


眼鏡の兄さんは通りに消えて行った、、
その背中は凄く寂しそうだった、、

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