テキストサイズ

《Eternal bells…… 》

第25章 桜香先生

日射しが強く雲一つない晴天の日、、



襖を閉め切り薄暗い部屋、、

本棚に入りきらない本が山積みになって
いる。その側で本を漁る男が一人…

ーゴソゴソ…

(はぁ~…全て読んでしまったか…
新しい本でも買いに行こうか…。)


男は部屋を出て玄関に向かい廊下を歩く…


『山南さん、出掛けるんですか?』…

『今日は顔色が良いじゃないか。』…

すれ違う者は皆、男に声をかける…


「山南さ~ん!」
ダダダダッ…


「…総司か…どうしたんだい?」


胴着姿の総司が駆け寄って来た。


「何処か出掛けるんですか?」

「あぁ、読みたい本がもうなくてね。
新しい物を買いに行くんだ。
総司はこれから稽古かい?」

「はい、山南さんもたまには稽古
の相手してくださいよ♪もう、ケガは
良くなったんでしょう?稽古しないと
鈍りますよ~。」

「ははは…そうだね。
でも…まだ余り体調が万全ではなくてね。
総司は近頃、頑張っているね…。
さあ、稽古しておいで。私は町に
行って来るよ。」
ーポンポン…

総司の頭を撫でると、山南は廊下を
進んで行った…


(山南さん…大丈夫でしょうか?)



今年の始めに山南が負った左腕の斬り傷…
それ以来、ほとんど部屋に籠ってばかり
だった。試衛館時代からの仲間達は、
そんな山南を心配していた…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ