テキストサイズ

《Eternal bells…… 》

第26章 尊王

栄太sideー


何故か知らんが、麗美はいつもお茶を
持って来よると直ぐに部屋に入ろうと
せんで、そっと覗いちょる。放っておく
とずっとそうしてそうでいつも僕が
声をかけると、顔を赤らめて入って来よ
るけど…何しちょるんだ?

ここには僕も深く知らん同志も集まる。
皆が宮部さん達の様な訳ではないけぇ…
麗美に会わせとうない奴らもおる…。


「えぇの~ワシもあんな女と床を共
したいもんじゃのぉ~吉田…ニヤッ」


こいつみたいにね…。
だから、出来れば麗美にはここに来て
欲しく無いけど…善意を無下には出来ん。
それにこのまま話が進めばきっと、麗美
が望まない計画が始まる筈だ…。
だから直ぐに大高さんの所に戻らせるけど。


「このまま長州や同志達が動けぬまま
では、攘夷を行う前に異国に攻め込まれ
るぞ…そろそろ動くべきだ。朝廷が動
かぬのなら動かすまでだ」
と、松田。


「どうやって動かすんだ?いくら建白書を提出しても、今の俺達の考えなど帝様のお手元にさえ届いてねぇだろ」
と、女好き男。


「これ以上…幕府の茶番には付き合って
おれんぞ!何がなんでも、帝様に我々の
考えを認めさせ、即刻攘夷を決行する」
と、宮部さん。


「異国は日本に不利な貿易をしたいだけじゃ。戦で潰し、直ぐに植民地にする事は無い。今は国を一つにして、異国と対等に渡り合える新政府を作る事。それが国を守る為に今成すべき事じゃ」
と、栄太。


ーバンッ!
「おい…お前は開国派なんか?
帝様を蔑ろにするつもりかっ!!」
床を叩きつけ、栄太を睨みつける男その2。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ