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《Eternal bells…… 》

第27章 居場所

その日の夜八ツ時(2時)ー


栄太の部屋、、


腕の中に麗美を抱き締め眠る栄太、、
幸せそうに眠る麗美…
しかし、栄太は苦しげな顔をしていた…



ーーーーー





栄太は暗い室内にいた…
箪笥や箱が積み重なり、見た事もない
耳が長い人形などが周りに見える…。


ージャ…ジャ…
(ここは何処じゃ…?)



そして…扉を見つけた…。

(蔵だったんか…随分広いな…)



蔵を出ると、辺りは暗く目の前には手入れの行き届いた見事な日本庭園。芝生の上に石畳で小道がある…それをたどり奥に進むと大きな屋敷があった。
室内は驚く程明るく、外まで灯りがもれて
いる。


(なんじゃ…?凄く明るいっちゃ…)



灯りがもれる大きな透明の戸に近寄ると、
中から怒鳴り声が聞こえる…
そっと近づくと戸が少し開いていた。
中を覗くと、泣いている着物姿の中年女性…その近くでは見た事のない服装の男性
二人が言い争っていた…。





「父さんのせいだっ!!麗美の気持ちを
無視して縁談なんてっ!だから麗美は出て
行ったんだ!あいつに何かあったら…
俺は父さんを許さないっ!!」


ー?!!!
(麗美だと………?!)
栄太は混乱する…。


「うるさいっ!!私の決めた事に口出し
するなっ!麗美は必ず連れ戻す!縁談も
やめんぞ!」


「あんたは…麗美の安否の心配よりも、
縁談の為に捜す気か…?
あんたそれでも父親かっ!!!」
ーグイッ!胸ぐらを掴む…


「…二人共!おやめなさいっ!今は…
麗美ちゃんが先です……グスッ…あの子に
何かあったら…グスッ…ウゥッ…ウゥッグスッ…」


「私はっ!麗美の為を思って見合う相手
を見つけただけだっ!!自分の娘の相手
を決めて何が悪っ……わるっ………」

ーフラフラ…バタッ!!……



「真崇っ!!」

「父さんっ?!…父さんっ!!
しっかりしろ!!おい!救急車だ!
マサさん!救急車を呼んでくれ早く!」




ー!!!!

「お父上っ!!!」
栄太は思わず叫んだ…。



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