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《Eternal bells…… 》

第5章 餡蜜

栄太郎が足早に麗美を追いかけた姿を見て、玄瑞はあえてゆっくりと歩いていた…

(栄太がおなごに興味持つとは…
これは晋作達にも教えちゃろう)

二人が入って行った小物屋の目の前に差し掛かると、手を繋いだ二人が店から出て来る…思わず隠れる玄瑞。


(俺は邪魔者だな、島原でも行くかね)


二人の後ろ姿をもう一度見ると、玄瑞は歩き出した、、





二人はまだ、手を繋いだまま…

(ドキドキするんですけど…栄太郎さんも何も言わないし…気まずい… あ!そう言えば玄瑞さんは?)

「栄太郎さん、玄瑞さんが居ないんですけど?」

「玄瑞なら、多分島原行っちょる
からいい」

(島原…確かに玄瑞さんは島原通い有名だよね…納得)



「ここ入るよ……」

栄太郎は急に不機嫌になり、麗美の手を掴んだまま、甘味屋に入った。


(栄太郎さん機嫌悪い…?私何かした?)


不安になりながも栄太郎の向かいに座る。

「いらっしゃい、何にします?」
お店の人が来ても、栄太郎さんは外を睨んで動かない。

「あ、餡蜜を…一つでお願いします」

(私が頼んじゃいましたよ…?何で怒ってるんだろ…?)

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