《Eternal bells…… 》
第27章 居場所
麗美は藩邸を飛び出し旅籠へ戻った…
以蔵の制止も聞かずにそのまま部屋に
入って行った…
栄太の言う通りだ…栄太達に私と同じ考え
方が出来なくて当然なのに…。
私は結局、自分の理想ばっかり皆に押し付
けてしまった。この時代の結末を知ってい
るから全てを知っている様な気になって…。
栄太達が…この時代の人達が…国の為に
命を散らして維新を迎え、その後も
何度も戦争が国内でも世界でも起きて、
その時代を生きた人達がいたから私が
生まれた平和な日本があるのに…
何の苦労も不自由もなく育った無力
な私は皆に守られてるだけなのに…。
暗い部屋の中、泣き声だけが響く、、
「……グスッ…ウゥッ…ウゥ…ッ…グスッ…」
(私も…あぐりちゃんが愛次郎さんにして
いる様に…栄太だけを信じてついて行け
ば良かった…。ごめんなさい…
私は…もう必要ない…)
その時…畳の上にある刀が青白く光った…
(刀が…光ってる……そっか…あの時の刀は
…栄太のだったんだ…)
刀にふらふらと近づいて行く、、
そして、ゆっくりと手を伸ばした、、
(ずっと一緒に居たかった………)
そこで意識を失った…
部屋に残るのは光が消えた刀だけ…。