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《Eternal bells…… 》

第27章 居場所

両手首を押さえつけて、深く口づける…
溢れ出た気持ちを抑えられない晋作…



「………んっ……んんっ!!」

ーバタバタッ
苦しそうに足を動かす麗美…




ーガバッ…ギュッ!

唇を離すときつく抱き締めた…



「麗美だよな…?麗美だ…っ…お前…
どうして…っ…良かった…」
掠れた声で切なげに言う…



「………っ!…ウゥッ…ウゥ…グスッ」
ぽろぽろと大粒の涙を流す…




私はなぜ泣いてるのか分からなかった…
晋作さんにキスされたから…?
本当は皆の所に早く帰りたかったから…?
本当は…栄太に迎えに来て欲しかった…?




(俺は馬鹿か!…泣かせてどうする!)


「ごめん!嬉し過ぎて思わず口づけし
ちまったんだ!泣くな…本当に悪かった!
許してくれっ!」



ーバッ…

必死に土下座し始める晋作。
ゴンゴンと頭を床に打ち付けまくる…
すると……




「…グスッ……クスクス…フフッ♪…
許す……グスッ…」

いつもの晋作らしい姿にほっとした麗美
は、思わず笑ってしまった。



ーバッ
「本当か?…栄太にも言わねぇでくれっ!
俺殺されちまうっ…」



「栄太は…私の事はもう…好きではないから…だから…大丈夫…」


「本当にそう思ってんのか…?
それは違うぜ…でも、栄太本人から
聞くべきだ…。ところで、お前は
未来からまた飛んで来たのか??」


「半分…?の所で戻って来れたの…。
でも、旅籠に帰れなくて…」


「お前は…二度と未来の家族に会えない
としても、栄太や俺達の側に居たいか?
俺達はいつ死んでもおかしくねぇ…
お前を一人残しちまうかもしれねぇ…」


「私は…皆と、栄太の側にいたい」


唯やお兄ちゃん、お父様、叔母さん…
皆に会えないのは辛いし、本当は私は
ここに居るべき人間じゃない。
それでも…私には栄太と皆が居ない世界
は考えられなくなっていた…。


「わかった…。
栄太を呼んで来てやるよ…お前は
ここで待ってろ。さっきの口づけは
二人だけの秘密だぞっ」
ーナデナデ…


「本当に、私は栄太に嫌われてない…?」
不安そうな顔をする。


「心配すんな…あいつもお前と同じ
気持ちだろ~よ。安心して待ってろ」





そして、晋作さんは旅籠に向かった…

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