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《Eternal bells…… 》

第5章 餡蜜

あの子の部屋を出て、廊下を歩く…

(僕らしくないな…)
女は鬱陶しいとしか思わんのに…あの子の前だと、調子が狂う。

「麗美 、か……」

栄太郎が気持ちに確信を持つのは、もうすぐかも知れない、、、


ーーーーーー



まだ、薄暗い朝、玄瑞さんは江戸に発つ。

「本当に気をつけてくださいよ~。
行ってらっしゃい♪」

私は着替える時間が無く、羽織の下は寝巻きのまま。ちゃんと着替えてから見送れなかったのは……

「………。」

まだ、起きない栄太のせい。

「行って来る。31日には戻るけぇ。
栄太を起こすの頼んだぞ。じゃあ」

そう言って玄瑞さんは江戸へ…。



遡る事、数十分前……

起きて布団の中でぬくぬくしていたら、女将さんがやって来た。

「麗美ちゃん。久坂さんがご飯食べてる間に、吉田さん起こしてくれるかい?
見送るんだろ?」

(確か寝起き悪いんだよね…?)

「わかりました」

「お願いね」
ーパタパタ…

私は、栄太の部屋に向かった…


(呼び捨てで!)

「栄太?入るよ~」

静かに襖を開けて中に入る。
きちんと片付けられた机、枕元に綺麗に畳まれた着物。ほんのり甘い香りがする部屋の奥に、布団に丸まった栄太。


蝋燭に火を灯して部屋に入る…

『失礼します』
と言い、栄太の布団の横に座った。

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