テキストサイズ

《Eternal bells…… 》

第31章 大切なモノを守る為…

桝屋、、




(栄太遅いな…晋作さんはとっくに帰って
来てるのに…何かあったのかな…?)


帰れない日はあらかじめ言うか、伝言か
文を使う栄太…。何も言わずに帰らない
のは初めてで、私は少し不安だった…。



ーコンコン…

「入っていい?」


不安な私は晋作さんの部屋に…


「良いぞ…」

部屋に入ると晋作さんは一人で晩酌中。



「栄太はまだか?」


「うん…何かあったのかな…?
晋作さん何か聞いてない?」


「俺より早く藩邸出たからな…
聞いてねぇぞ。でも栄太の事だ、明日に
はひょっこり帰って来る。心配するな」
ーナデナデ…


「そうだね…ありがとう…。
飲み過ぎないでね。おやすみなさい♪」


私は部屋に戻った…
結局栄太は帰らずに朝を迎えた…。





晋作はその日藩邸で会った栄太から、
いつもと違う香りがした事に気づいた…
しかし、周りを避ける様にして夕刻には
藩邸を出る栄太を呼び止める事が出来ず、
険しい顔をする栄太はそのまま出て行っ
たのだった…。





ーーー




翌日の朝、、



お咲の廃墟から出て来た栄太を見た男…

そして…

「松里さんが女買うとはのぉ~…
桜香じゃ足りないがか?…ニヤッ」

助五郎は後ろから声をかけた。


ー!!!

「……買っちょらん…」


「いいがじゃ、男は皆好きだがよ。
桜香にばれない様にのぉ~…」


そう言って助五郎は去って行った。



助五郎の後ろ姿に一抹の不安を抱く…
お咲との約束の残りはあと3日…。






連絡も無いまま栄太は2日間帰って
来なかった…。晋作さんは蛤御門の
事で忙しいからって言うけど…。
一度も顔を見せず、連絡も無い事に
私の不安は膨らむばかり…。
あの時の知らない香りが頭を過る…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ