《Eternal bells…… 》
第31章 大切なモノを守る為…
酒と料理が運び込まれて再び二人きり
になる…。
「桜香、酒は好きか?これは上等な酒
だ。旨いから飲んでみろ…」
自分の肩に凭れて力無く座る麗美に、
盃に酒を注いで口元に運ぶ…
麗美は素直にそれを飲み干した。
「旨いじゃろ?また、いつでも連れて
来ちゃるき。どんどん飲め、嫌な事は
飲んで忘れろ。俺が付き合っちゃる」
ークイ~ッ
助五郎は自らも飲み干すと、再び麗美
に飲ませる…。暫くそれを繰り返すと
麗美の顔が赤くなってきた…。
(酒弱いんかのぉ~…真っ赤じゃき…
強い酒はまずかったか…?)
潤んだ目をトロンとさせて肩に凭れている…
助五郎はお膳に乗ったお茶を麗美に飲ませ
ようとした…しかし…
「こっち飲む…」
麗美はふらりと身体を起こし、酒が入って
いる金色の徳利に手を伸ばす…
そして、徳利ごと酒を一気に飲み始めた…。
ー!!
「おい!無理するな!お前…!」
止める間もなく全て飲み干し違う徳利に
手を付けた…口に入りきらず口の端から
酒が垂れ流れる…そして飲み干すと、
口元を手で拭った…。
「はぁ…はぁ…もっと…飲む…」
「大丈夫か…?もう止めておけ…」
手にした徳利を取り上げる。
「んっ!嫌っ!返してぇ~…」
助五郎の腕にしがみつく。
「わかったわかった!飲ませるから、
盃で飲め。いいか…?」
「ん…わかた…ヒック…」
再び飲み始める二人…
(ん……頭がぐるぐる…ぐるぐる…)
「ん~……も~らめぇ~…はぁ~」
ーゴロン…
頭が回り横になってしまった…
(やっぱり潰れたか…)
「桜香、布団に運ぶがよ…」
麗美を抱き上げ奥の寝室に連れて行く。
そして布団に寝かせた…。上気した顔で
はぁはぁと荒れた息使い…トロンとした
目を薄く開けて、半開きの紅い唇…
その色気に思わず見とれる助五郎…。
(まずいのぉ~…でも、いかんがよ…
無理には抱きたくないんじゃ…俺らしく
ないけどな…)