テキストサイズ

《Eternal bells…… 》

第32章 色付き花火と垂れ花火

ーーーー



大高さんの部屋に入ると、
そこには純白の白無垢が飾ってあった…





(うわぁ~…綺麗…誰か結婚するのかな…)


暫く見とれながら待っていると、大高さん
がお茶を持って戻って来た…
そして私の前に座った。





「実はなぁ…麗美はんは、大高家に養子
に入って貰ったんや。だから私の娘って
事になる」





「…え…?」
ポカーン…



(そりゃ驚くわなぁ~…)

「それでな…この白無垢は麗美はんが
祝言で袖を通すもんや…栄太君と正式
な夫婦になる為に、養子に来て貰った」



ー?!!?

「は…?えっ?…え?!」
オロオロ…


大高さんが何を言っているのか分からない…


「麗美はん!…落ち着きなさい…
いいかな…これから全部話すやさかい、
しっかり聞くんや…分かったかい?」

麗美の肩に手を置き優しく宥める…


「は…い…」



「栄太君はな…麗美はんを妾にしとう
ない、きちんと夫婦にならなお父上に
申し訳が立たないって…私に頭を下げてなぁ…


ーーーー

大高は麗美に内緒で準備を進めていた
事を話してしまった…





栄太は真剣に祝言を考えて、内緒で準備
してくれていた…嬉しくて…それと同時に
こんな結果になってしまった事が悔しくて…





(栄太ごめんね…私のせいで…)



胸が詰まって上手く息が出来ない私の背中
を、優しく擦ってくれる大高さん…



「栄太君が愛しく思ってるんは、麗美はん
やぞぉ…今も、きっとこれからもなぁ…。
本当はこれも話さないで欲しいと言われ
た事やけど、私は早く娘の白無垢姿を見た
くてなぁ~…だから話す事にしたんだ…




ーーーー

お咲の事も全て話した…





栄太は私達を守る為にあの人の所に通って
いた…桝屋や私の事を新選組にばらすと脅
されて…




(私は…何をしてたんだろう…何も知らず
に、栄太を信じる事が出来なかった…
裏切ったのは私の方だったのに…)


「…私っ…!栄太…に…あや…__



ー…フラッ……バタ…


「麗美はんっ?!どうしたっ!!」


立ち上がった瞬間に麗美の身体は崩れ
落ちた…意識を失い真っ青な顔…
食事もろくに摂らずに寝不足…貧血で
倒れたのだった…



大高は急いで布団に寝かせ、桝屋に走った…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ