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《Eternal bells…… 》

第32章 色付き花火と垂れ花火


藩邸、、



ードンドン!ドンドンドン!


「開けてくれ!」

門を激しく叩く古高…


ーギィ~…


「どうされましたっ?!」

慌てた古高を見て門番は焦った。


邸内に入るなり、大声で叫ぶ古高…

「久坂君は居ないかっ?!桜香ちゃん
が倒れたんだ!!誰か居ないかっ!」




ドドドドド…

「「「麗美がどうしたっ?!」」」

栄太、玄瑞、晋作がいち早く現れる…
そして四人は笠を被り桝屋へと急いだ…




ーーーー



大高によって自室へと運ばれ自室の布団に
寝かされていた…相変わらず顔に血の気が
なくグッタリしている…


「…晋作、麗美ちゃんはきちんと食べ
ちょったか…?」

一通り診た玄瑞が尋ねた…


「多分ほとんど食ってねぇ…夜も寝てねぇ
みたいだ…。今日の朝も様子がおかしくてよ…やっぱり無理してたんだな…」

透けて見えた事は誰にも話していなかった…



「貧血だと思う…ゆっくり休んで栄養を
摂れば大丈夫なはずだ。今日はゆっくり
眠らせてやろう…」


「…………。」


栄太はひどく心配そうな顔で、ずっと
麗美の顔を見つめていた…


「俺は大高さん達と少し話して来るけぇ。
麗美ちゃんを頼んだぞ」


玄瑞が部屋を出て、晋作と栄太二人に
なる…重い空気の中、先に口を開いたの
は晋作だった…。


「お前のせいで倒れたんだぞ…
ちゃんと話もせずに逃げたからだ…」


「……そうだな…」


「……あの折れた刀はまだあるんか…?」


「あれは懐刀に作り直した…祝言で使う
けぇ、今は白無垢と共に大高さんの所に
ある…それがどうした…?」



麗美が透けた事に刀が関係あるのではと
思っていた晋作…

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