《Eternal bells…… 》
第32章 色付き花火と垂れ花火
「いや……何でもねぇ…
お前今日はずっとついてるんか?」
「…うん。そのつもりだ…」
「…そうか…目を離すなよ…
俺は部屋に戻る。何かあったら呼べ」
ースッ…
(晋作どうしたんだ…?)
明らかに様子がおかしい晋作に疑問を
抱く栄太…
ーーーーー
久しぶりに逢えた麗美は唇まで真っ白で…
痩せちょった…
いつも僕は麗美を傷つけてばかりだ…
桂さんや玄瑞の様に器用に出来んけど、
やっぱり僕と麗美は離れられん…
きっと僕と出逢う為にここに来たんだ…。
ーゴソゴソ…
栄太は布団に潜り込み手を繋いで
寄り添った…
「麗美……はよ元気になって祝言あげよう…
目を覚ましたら、きちんと申し込むけぇ…
断るなよ…。『明治』を迎えたら…
うえでぃんぐどれすも着せちゃるぞ……」
手を繋ぎ、頬を撫でながらその後もずっと
話し掛け続ける…
そして気がつくと栄太も眠りについていた…
その後、、
次の日の朝を迎えても麗美は眠り続けた
…夕刻になっても目を覚まさなかった…
栄太、晋作、玄瑞と以蔵、翠蓮は布団
を取り囲み心配そうに見守っている…
「なあ…本当に貧血なんか?
起きねぇぞ…大丈夫なのかよ…」
と、晋作。
「う~ん…顔色は戻ったんだかな…
おかしいな…」
玄瑞は脈や胸の音を聞いたりと診察を
始めた…
ー?!!
「…おっ…なんじゃっ?!」
玄瑞が急に叫ぶ…
ー!!!
「何だこれっ?!!麗美!!」
栄太は慌てて麗美を抱える…
麗美の身体が透けていた…薄くなったり
戻ったりを繰り返している…。
「刀持ってくるぜ!!」
ダダッ…!
ースパンッ!
晋作は直ぐに懐刀を取りに隣家へ…
(また透けた……まさかこのまま…
いや…絶対ぇに麗美は帰さねぇ~!)