《Eternal bells…… 》
第33章 明と暗・裏と表
「何故だ…何故、総司が……」
下を向き頭を抱える近藤、、
弟の様に可愛がって来た総司の病…
この時代で労咳(結核)は、死を意味する…
京に連れて来た自分達を責めてしまう二人…
俯く二人を諭す様に、口を開いたのは
良順先生だった、、
「医者としての立場では、江戸に戻り療養するのが一番だと思うが…
沖田君の気持ちを汲んでやってはどうか?
この乱世に生きる者同士、いつ命を落とすかわからぬのは皆同じ事…それなら、沖田君のしたい様にさせてやってはどうかね…
私も、出来る限り力を貸そう…」
土方が心配していた事が現実になってしまった…その一部始終を聞いてしまった男…
山南敬介、、
(総司が……労咳…?だと……?)
近藤の部屋を飛び出した総司は、屯所内の自室に籠っていた。
まだ、麗美と過ごした家は手放さずにいた総司、、屯所の部屋には必要な物しか無い…
ーコンコン…
「沖田さん、佐々木です…」
夜更けに訪ねてきたのは、愛次郎だった、、
「また玄関前に、こんな物が…」
愛次郎は淡い桃色の紙包みを差し出す、、
無言で受けとる総司、、
愛次郎は頭を下げ、部屋を後にする、、
桃色の包みには、前と同じ癖の文字、、
(麗美……どうして私にここまで…)