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《Eternal bells…… 》

第33章 明と暗・裏と表

栄太達が忙しい中、祝言を済ませたあの日…
次の日からは、予想通りに二人きりの甘い時間なんてある筈もなく…


なぜなら長州藩の皆さんが、兵を率いて入京して陣をはっているから…そう、蛤御門の変が目前に迫っていたから。


京の町にとっても、長州にとっても、あの悲劇だけは避けたい事で…栄太達は長州の皆さんの説得や、西郷さんとの会合で毎日動き回る日々、、






桝屋ーーー


ーゴリゴリゴリゴリ………


カサカサッ…


そんな中、私は天日干しした朝鮮人参をひたすら粉末状にして紙で小さく包んでいた、、





「麗美っこ、これはなんの薬だが?」
と、以蔵。


「ん…?……滋養強?壮?…」




そろそろ、晋作さんは国に帰る…
きっと無茶をして、藩の思想を変えようとするはず…いつ発病するのか…原因さえわからない労咳が心配だったから…
それと……








ードスドスドス…
ースパンッ!


「麗美!同盟は結んだぜ♪
俺と俊輔は、明日の朝発つ」



私達がひたすら作業をしている夜更けに、
皆は帰って来た、、


(え?!同盟って…薩長同盟?!早すぎません?!)





「え~?!だって…まだ…蛤御…『それも!もう話し合い済みだ♪心配ねぇ』


私の言葉を遮って、自信満々の晋作さん…


「麗美ちゃん…事を成し遂げたら俺と…」
と、肩を抱き寄せる俊輔…


ーバキッ…………ドサッ…

俊輔さんに飛んで来た三味線…
を、投げたのは…





「ただいま、麗美」


私が待ち焦がれていた人、、


「お帰り~!」


ーガバッ…ギュ~…

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