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《Eternal bells…… 》

第7章 稔麿様

(ここで諦めない…)

「勿論、全ては話せません。
歴史を大きく変えるつもりもありません。でも、少しでも協力したいんです。
お願いします!」

私は額を床につけ頭を下げた。


「麗美さん、頭を上げておくれ」

「お願いします!」
まだ、上げない私に、

「認めないと、こいつは一人でも何かやらかすかもなぁ」
と、高杉さんは玄瑞さんをちらりと見る。

玄瑞さんはまだ、不機嫌…

「麗美さん、わかったよ。続きを聞かせてくれるかな?」


ーガバッ! 

「ありがとうございます!
知っておいて欲しい事を話します。
まず、近い内に、幕府側の京の市中を取り締まる『壬生浪士組』が、入京します。身分は問わないけれど、腕の立つ人が多いです。いずれは、会津藩お抱えになり、こちら側の敵になります。

そして、午の月に朝廷の公卿、姉小路公知さんが暗殺されます。幕府側の陰謀により、田中 新兵衛さんに冤罪を擦り付けて田中さんも暗殺されます。
幕府側は、朝廷から攘夷側の人間を消したいが為です」


ー!!!!!

「新兵衛がだと?!」
今まで黙っていた玄瑞が声をあげた。

田中新兵衛は玄瑞や栄太と交流のある、後に人斬りと呼ばれる人、、、


「 はい。それで朝廷はまた幕府寄りになって、夏の終わりに、、、長州藩は京から追放されます。その暗殺を阻止しても追放は免れられないかもしれない…。
私には知っている事を話す、それしか出来ませんが…判断は、皆さんにお任せします」

とりあえず、今言える事を言いきった私。


「ありがとう、それだけで充分だよ。
しかし、君は詳しいね。何か資料でもあるのかな?」
桂さんは笑顔で言う。

「いえ…///未来にいる時に、好きだった人の事を調べたり…///それで…」
私は口ごもってしまう。


「好きだった、とは?」
玄瑞は聞く。

「あの///未来では皆さん、人気あるんですよ。織田信長に憧れる感じです。私も憧れですね///」

憧れから、本気の好きになりそうな私は、赤面していた…出会った頃は、歴史の中の人としての尊敬や興味だけだったのに。


「で、誰が好きなんだ?」

(高杉さん、それ聞きますか?)


3人の視線が私に集まる………

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