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《Eternal bells…… 》

第10章 八卿と恋模様

午の月(5月) 二十日 ーー

暗殺阻止をする日がやって来た。

私は何も出来ずに、待っている事しか出来ない…。





朝廷での会議が終わり、邸宅へと向かう一行。提灯の光が3つ…

その一行を闇に紛れて後を着ける玄瑞、翠蓮、田中新兵衛。

一行が、邸宅を囲む壁の横にたどり着いた辺りで、、、

暗闇の向こうから、3人の黒装束の男達が現れた。

「何者だ?」
姉小路の側近が聞く。

3人に囲まれ、側近達は姉小路を挟んで構える。

「死んでもらう!」

その瞬間、、、
玄瑞達も飛び出した。



ーザシュッ
玄瑞は一人を後から斬りつけた…


ーシュパー  
翠蓮は一人の首をクナイで斬った…


ーキーン キン グサッ  
新兵衛は斬りかかる男の腹にひと突き…


 
一瞬だった…
3人の速さに歯が立たずに倒れて行った、刺客達、、、


「何だ?!これは、どうなっているのだ?!」
混乱する姉小路は、いきなり現れた玄瑞達に聞く。

「姉小路卿を暗殺するとの計画が耳に入り、返り討ちを狙い我々は隠れとりました」
玄瑞達は頭を下げた。

「暗殺だと?!そんな事を目論んだのは誰だ?!」
と、側近は言う。

「幕府の上層部のものです。姉小路卿を暗殺し、この田中 新兵衛に罪を擦り付けるつもりでした」

そう言い、死んでいる刺客達の懐を調べる玄瑞。懐から見つかったのは、田中新兵衛が盗まれた下駄。そして、死体の腰には新兵衛が鍛冶屋に出したはずの刀。

「では、お主達は
私を救ったのだな?」

「はい。姉小路卿は我々攘夷志士には必要なお方。幕府は朝廷を仕切りたい為に、邪魔な攘夷派を朝廷から消そうとしていました…」


それから、納得した姉小路卿は改めてお礼を兼ねて、藩邸に訪れる約束をした。
刺客達の死体は、離れた場所に捨てられた、、、





暗殺阻止が成功し、無事に藩邸へ戻った3人、、、

「お帰りなさいっ!」
麗美は3人に駆け寄る。

「ただいま。無事に終わったぞ」

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