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栄太は夕刻まで待てずに、麗美の働く甘味屋へと向かう、、、


(やっと会える…)

店が見えると、自然と足早になる…
麗美の姿を見つけたが、すぐ側には見覚えのある男の姿…
二人は楽しそうに話し込んでいた…。


(あいつはあん時の…麗美の手を握っていた男…)
ーズキズキッ



二人に見えない様に近づき栄太は会話に耳を傾ける…


「じゃあ、明日は仕事終わる頃に迎えに来ます♪楽しみですねぇ♪」
キラキラ☆

「そうですね。珍しいお料理楽しみです♪でも、高いお店なんじゃ…？」

「大丈夫ですよ。一緒に食事できるなら、安いものです♪じゃあ、また明日」

「また明日♪」


(何だ食事って…麗美はあいつが好きなんか…？なんで…)


麗美に話しかけられないまま、旅籠へ戻って行った…





夕刻、麗美は旅籠へと帰る、、、
「麗美ちゃんお帰り。栄太が戻っとる。稔麿は栄太の事だったんだなぁ」
そう言われ、座敷へと連れて行かれた。


(栄太が…？改名したんだね。
どんな顔して会えばいいんだろう？
おたつさんは一緒なのかな…)



座敷に入ると、栄太だけが座っていた。

「お帰りなさい、改名したんだね」
ぎこちなく笑う…

「ただいま、麗美は元気だったんか？」
目を反らして言う…


(なんか、冷たいな…奥さんいるから、当たり前か…)

「おたつさんは一緒に来たの？」

「おたつとは、一緒にならん！」
先程の嫉妬で、冷たくいい放つ。


「どうして…？栄太は、おたつさんを…」

「麗美には関係無いんじゃ！」

「おい！栄太！何じゃその態度は！」


ずっと聞いていた玄瑞は、栄太の態度に我慢出来ずに叱る。