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《Eternal bells…… 》

第11章 一方通行

「栄太!からかわないで///」
顔を背ける。

「からかっとらん…本気。惣太って奴に、昨日何された…?」
鋭い目付きになる、、

(え………?)
一瞬の狼狽えを見逃さない栄太。


ーシュルシュル…
首の布を取り、襟元を広げる…
首と胸元には幾つもの赤い痣…


(クソッ……!!)
怒りが込み上げる、、、


麗美はグッと目を閉じる、、


「あいつに抱かれたんか…?」


首を横に振る麗美。


「…ボソッ……麗美は僕の…」
そっと痣を撫でる…


(栄太…?)


「用事思い出したから出掛ける。
麗美は寝ちょれ」


はだけた着物を直して、栄太は部屋を出て行った、、、


(見られちゃった…誤解したよね……)




ーーーー






笠を被り、帯刀した栄太は町を歩いていた、、、

ある男を探す為に…
三条通りを抜けた辺りで前方から、浅葱色の羽織を身に纏った数人が歩いてくる、、、


(壬生狼か……)


栄太は陰に隠れて、通り過ぎるのを待つ、、、


「なあ、総司の奴どうしたんだ?ありゃ、稽古じゃなく八つ当たりだろ。
ひどい目にあったぜ!」


「噂の恋仲と喧嘩でもしたんだよ。昨日、料亭茶屋に女と入ったのを新八が見たらしいよ。新八が言うにはかなり別嬪なんだって。総司もやるよな~」


「俺も美人にあやかりてぇなぁ」



ージャリ…
ダンダラの羽織が小さくなった頃、
栄太は出て来た、、、


(『惣太』と『総司』が同一人物だったら…面白いね……)


口角を上げ、妖しく微笑む、、、
そのまま町の中に消えて行った。

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