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第10章 反撃の朝


 午前8時、2分前。

 爽真に言い渡された通りの時間に生徒会室へとやってきた悠理は、鋭い目つきでその扉を睨み付けた。

 ――最初の一手で決めなくちゃ。

 太ももに隠しているホルダーを一撫でし、悠理は扉を3回ノックする。

 すると中から「どうぞ」と昨日通りの柔らかな声が聞こえてきたため、悠理は奥歯を噛みしめながら慎重にドアノブを開けた。

 室内はカーテンが完全に締め切られ、僅かに薄暗い。

 しかし、そんな中でも彼の周りだけは浮き彫られたように明るく見えた。

 扉を開けた瞬間に険しかった表情を一変させ、オドオドと怯えきった表情を浮かべた悠理に爽真は優しく微笑んだ。

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