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第10章 反撃の朝
「そんな顔しないでよ、悠理ちゃん。まずはリラックスして挨拶でもしない?」
おはよう。
そう爽やかとしか形容できない笑みを浮かべる爽真へ、悠理は密かに笑みを浮かべた。
――いける。
しかし、そんな思いは微塵も表に出さず、恐怖しているように一歩退いて「おはよう、ございます」と呟いた。
そのまま「おいで」とソファから立ち上がって手を招く爽真に、悠理はゆっくりと近づく。
その距離が1メートルほどになったところで立ち止まり、彼女は唇を噛みしめて俯いた。
やはり柔和な笑みを浮かべたままの爽真は自分からその距離を縮め、悠理を正面から抱きしめる。
そして身体を密着させながら悠理の耳元へ唇を近づけた瞬間に、悠理は自分の太ももから黒い鉄の塊を素早く取り出した。