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第10章 反撃の朝
――どこ?どこに……。
懸命に視線をあたりへ向けている悠理を見て、爽真は優しげに眼を細める。
そうして右手に持っていたものを悠理の目の前に差し出し、「探しものはこれ?」と穏やかな口調で問いかけた。
対する悠理は、あっと声を上げたが、その表情はみるみる血の気の失せたものへ変化していく。
――どう、しよ……。
もはや表情を隠すこともできず困惑している悠理へ、爽真は聞き分けのない子供に諭すような口調で言った。
「わかってると思うけど、今これできみを気絶させることも僕にはできる」
その間にきみを好きにすることもできるんだよ。
そう続けられた脅しの言葉に、悠理は小さく悲鳴を上げた。