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第2章 彼女なりの安穏とした日々

 そんな四月も下旬に差し掛かり、少しずつ高校生活にも慣れ始めてきた頃だった。

 深槻爽真。

 生徒会長をやっているという彼は、そう悠理に名乗った。


「実は生徒会に入ってくれる新入生を探してるんだけど……皆面倒くさがってなかなか入ってくれないんだ」


 よかったら入ってみない?

 そう人当たりの良い笑顔を浮かべた深槻に、悠理は内心首をかしげていた。

 あまり人の外見どうこうを気にする質ではなかったが、そんな悠理にもわかるほど、爽真は端正な顔立ちをしていた。

 優しげな瞳や形のいい鼻と唇、下手をすれば悠理よりもきめ細かい黒髪と均等のとれたスタイル。
 
 制服の黒いブレザーと青色のネクタイでさえ十分以上に着こなせてしまえるその容貌。

 どう見ても人を寄せ付けるルックスだというのに、ファンの女子ひとり入らないというのはおかしな話に思えた。

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