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第12章 快楽授業
「ちょっと八桐、あんた大丈夫?」
不意に頭上から聞こえた声へ、悠理はびくりと顔を上げた。
そこには机の傍で腕を組みながら、どこか心配そうに眉を潜めているクラスメイトの姿があった。
腰まで伸びた長い黒髪にすらりとした手足、そして170センチ近い身長をもつ十条遥(じゅうじょうはるか)だ。
悠理が高校に入学して一番に友達になったクラスメイトである一方、スレンダーな遥に度々悠理は羨みの目を向けている。
――は、遥ちゃんに気づかれるのだけは……。
そう内心パニックに陥りながらも、悠理は落ち着いて「だいじょ――」うぶ、そう続けようとした言葉を四度目の振動が妨げた。