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第2章 彼女なりの安穏とした日々

「そう煙たがるな、悠理。千尋はお前が可愛くて仕方ないんだ」
「……いや、可愛がり方にも限度がありますよ」


 そうげんなりと返事をした悠理は、ペットを可愛がりすぎてストレス死させてしまったという話を聞いたとき、その飼い主が千尋と重なったことを思い出した。

 ――これさえなければ、いいお兄さんなんだけど……。

 
「そりゃあもうユウなら目に入れても目を抉られても痛くないっすよ!」

「いや、それは絶対に痛い」


 嬉々と話を続けようとする千尋をきっぱり切り捨て、悠理は躊躇いがちに永井へ視線を向けた。


「それで、永井さんの仕事が大丈夫そうなら、入ってみようかなと思ってるんですけど……」


 そんなおずおずとした様子に、永井は「ったく……」と苦笑いを浮かべる。

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