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第5章 戌原西地区の殺し屋
「すみませんが、覚えてません」
歯に衣を着せずそう言い放った悠理へ、文芽は「ええー……」とあからさまショックを受けたような表情を浮かべて項垂れた。
どうせくだらないことだろうと考えていた悠理も、僅かながら忘れてしまったことに罪悪感を覚えて肩をすくめる。
罪悪感も何も、11歳の少女の前で殺人を犯す方が異常なのだが、そのあたりの判断基準も悠理はぶれてきていた。
「……そっか、覚えてないのか。じゃあ、今ここで言うしかないな」
うん、とひとり納得したように頷いた後、文芽はイキイキとした笑顔でこう言った。
「16歳になったら、俺にユーリちゃんの処女くれない?」