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第7章 戌原西地区の便利屋

 しかしながら、その武器屋の頭――御津浩一郎(みづこういちろう)率いる連中は、自分たちの目先の利益しか考えていなかった。

 その結果、他の武器屋の面子から疎まれ――運送から人探し、裏社会の人物紹介に組織撲滅まで引き受ける便利屋『Under Dogs』に依頼がきたのだ。

 もう二度とここで商売ができないようにしてくれ、と。

 それを実行したのは悠理と千尋、そしてこの場にはいないもう一人の住み込み――祠堂未弦(しどうみつる)だった。


「なにって、情報屋からタレコミがきたんだよ。御津のガキが俺らに報復を企んでるってな」

「随分と親孝行なんですね」

「ああ。ひょっとすると家族の前ではアットホームなパパだったのかもしんねえ」


 そう軽口を言いながら、永井はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

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