アルカナの抄 時の掟
第9章 「審判」正位置
調べさせたところ、セレナはリーンの義理の娘だ。幼少の頃、子のいないリーン家に、養女として引き取られたらしい。僕が皇帝として立つ以前のことだから詳しくはわからない。
リーン家には大変な恩義があるだろう。だが、リーン家自体は完全に白との報告が、かなり初期の段階で出ている。
ならばやはり右大臣かと考えていたところに、先ほどのフレアの言葉だ。
リーン家が白なら、セレナは右大臣と直接繋がっているのかと考えたのだが、違うのだろうか。
――ん?直接繋がっている…?
より上位の者と…。
アルバートは、今までの出来事を思い返す。思えば、確かにできすぎていた。すべてが最後に導かれるように。
……まさか。
アルバートは紙を取り出し、ペンを滑らせる。
ちょうど書き終えたとき、扉が叩かれた。
「……誰?」
アルバートは鋭い声を向ける。と、見知った声が答えた。ヴェキだった。アルバートは手早く紙を折り畳むと、返答した。
「明日の予定ですが――」
ヴェキは告げながら、折り畳まれた紙を差し出す。アルバートは受けとると、懐にしまった。ここで、自分からの連絡がなにもなければ、アルバートはそのまま聞いているだけだ。
と、アルバートの方も、紙をヴェキへ手渡す。先ほど書いたものだ。ヴェキは予定報告を続けながら、そっとしまう。二人は、こうして内密に連絡しあっていた。
予定を言い終え、ヴェキは出ていった。
リーン家には大変な恩義があるだろう。だが、リーン家自体は完全に白との報告が、かなり初期の段階で出ている。
ならばやはり右大臣かと考えていたところに、先ほどのフレアの言葉だ。
リーン家が白なら、セレナは右大臣と直接繋がっているのかと考えたのだが、違うのだろうか。
――ん?直接繋がっている…?
より上位の者と…。
アルバートは、今までの出来事を思い返す。思えば、確かにできすぎていた。すべてが最後に導かれるように。
……まさか。
アルバートは紙を取り出し、ペンを滑らせる。
ちょうど書き終えたとき、扉が叩かれた。
「……誰?」
アルバートは鋭い声を向ける。と、見知った声が答えた。ヴェキだった。アルバートは手早く紙を折り畳むと、返答した。
「明日の予定ですが――」
ヴェキは告げながら、折り畳まれた紙を差し出す。アルバートは受けとると、懐にしまった。ここで、自分からの連絡がなにもなければ、アルバートはそのまま聞いているだけだ。
と、アルバートの方も、紙をヴェキへ手渡す。先ほど書いたものだ。ヴェキは予定報告を続けながら、そっとしまう。二人は、こうして内密に連絡しあっていた。
予定を言い終え、ヴェキは出ていった。