アルカナの抄 時の掟
第2章 「愚者」逆位置
謁見の間から部屋へ戻って少しした頃、無表情のヴェキがやってきて、宮殿の構造や設備の案内をしてくれた。淡々と業務をこなすので、カオルも先ほどのことは触れずにおいた。
これから少しずつ作法や禁止行為、宮殿内のルールなどを少しずつ教えてくれるようだ。
その後、アルバートが言っていた通りカオルの侍女となる女性たちが来て、自己紹介をしてくれた。エマ、フレア、カーラの三人で、お茶や食事、湯、着替えの用意など身のまわりの雑用をしてくれるようだ。
風呂に入り、食事を終えると、ご用があればいつでもお呼びください、と彼女たちは退室していった。
やっとすべてが終わり、彼女らが置いていってくれた寝間着に着替えると、カオルはそのままベッドに倒れこんだ。一日でいろいろなことが起こり疲れていたのか、すぐに眠りについてしまった。
そして翌日。昨日はバタバタしていて頭になかった、鞄の中の携帯電話の存在を思い出して、開いてみた。
「ですよねー」
圏外、の文字を確認すると、そのまま閉じて鞄に戻す。
なにもやることがない、そして教科書はあるものの勉強をするという選択肢はカオルにはないため、しばらく部屋でくつろいでいた。
こんなにのんびりしてていいんだろうか…帰る方法も探さないで。
と、扉が開けられる。
「カオル、お茶しよう」
アルバートが満面の笑みでそう言った。
「ノックしてよ」
「さあ、いくよー」
カオルの腕を引っ張り、部屋から出ていく。
「ちょ、ちょっと」
これから少しずつ作法や禁止行為、宮殿内のルールなどを少しずつ教えてくれるようだ。
その後、アルバートが言っていた通りカオルの侍女となる女性たちが来て、自己紹介をしてくれた。エマ、フレア、カーラの三人で、お茶や食事、湯、着替えの用意など身のまわりの雑用をしてくれるようだ。
風呂に入り、食事を終えると、ご用があればいつでもお呼びください、と彼女たちは退室していった。
やっとすべてが終わり、彼女らが置いていってくれた寝間着に着替えると、カオルはそのままベッドに倒れこんだ。一日でいろいろなことが起こり疲れていたのか、すぐに眠りについてしまった。
そして翌日。昨日はバタバタしていて頭になかった、鞄の中の携帯電話の存在を思い出して、開いてみた。
「ですよねー」
圏外、の文字を確認すると、そのまま閉じて鞄に戻す。
なにもやることがない、そして教科書はあるものの勉強をするという選択肢はカオルにはないため、しばらく部屋でくつろいでいた。
こんなにのんびりしてていいんだろうか…帰る方法も探さないで。
と、扉が開けられる。
「カオル、お茶しよう」
アルバートが満面の笑みでそう言った。
「ノックしてよ」
「さあ、いくよー」
カオルの腕を引っ張り、部屋から出ていく。
「ちょ、ちょっと」