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アルカナの抄 時の掟

第2章 「愚者」逆位置

夜、静かな宮殿。侍女の一人、カーラは自室へ戻ろうと階段を降りていた。と、前を誰かが横切っていった。

「あれは…カオルさま?」
小走りにかけ降りると、廊下をのぞきこむ。

そこには誰もいなかった。

「…見間違いかしら」
そうよねこんな時間に、と一人納得すると、カーラはそのまま自室へ歩いていった。




一方、アルバートはこの頃、自室のテラスで夜風に当たっていた。ひんやりとした風が頬をなで、すりぬけていく。少しぼんやりとすると、ベッドに入る。目を閉じたとき、部屋に誰かが入ってくる音がした。

「ん…誰~?」
暗がりに目をこらす。と、カオルの姿が見えた。

「カオル?どうしたの?」

カオルは何もこたえない。無言でアルバートから毛布を引きはがした。

「カオル…?」

カオルはアルバートの両足の上に乗ると、彼の寝間着のひもに手を伸ばす。

「え…?え?」
アルバートがおどおどしていると、あっという間にはだけさせられた。

「大胆~」

カオルはさらに、アルバートの下半身もはだけさせる。

「えええ」
アルバートが本気でうろたえはじめたのにも構わず、カオルは彼のものに手を添える。

「カオルッ…?あっ…」

軽く刺激を与えられると、アルバートはすぐに反応した。カオルは続けて動かす。

「ちょっ…あ…ああっ…」

カオルの動きはだんだん激しくなる。

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