無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

だが今考えれば、なぜ俺が彼女に惹かれたかは、シンプルに説明できる。

知らない相手にいきなり自分の全裸の姿を顔出しで送りつけるあの
天真爛漫さは、なくすものを恐れていない捨て身の生き方の裏返し。

つまり、俺は彼女の中に自分の姿を見たわけだ。

お互いに捨てられない大事なものがあるはずなのに、
なぜか何も恐れず生きなければいけない「業」に惹かれ合った。俺はそう理解していた。

彼女と俺の住んでいる場所は絶望的に離れていたが、
俺は半ば強引に彼女を説き伏せ、会いに行き、はじめて彼女の生身を感じた。

それまでに経験したすべての女と異なる、違和感の無い肌に触れた。

いや、違和感が無いというのは、彼女に触れてはじめて気がついたことだ。

それまでのすべてに違和感を感じていたことに、その時はじめて気がついた。