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これが私の仕事

第4章 第三夜

ただ、なかなか本題を切り出せない。私は流歌、元は蘭の死因が聞きたいんだ。目の前の蓮さんは多分会社員。流歌は大学生。そして、流歌の方が早く死に、その十数年後蓮さんが死んだ。そして、お互い死に神になり、蓮さんは悪霊になりかけている。流歌は、なぜ死に神のまま居られるのだろうか。普通に病死なら生きたい想いが普通よりも強いはずなのに。それとも流歌は最初から、いや、気づいたときにはあきらめていた??
私『…あの、流歌はなぜ…流歌の…』流歌はなぜ死んだのですか??流歌の死因は??流歌は生きたいと思わなかったんですか??
聞きたいことが言葉にならず、ぐるぐるする。
蓮「流歌の死因は言えないよ。僕の口から言うのは違うと思う。それに、さっきまでの記憶とは関係ないよね。」
うっ………厳しい。それもそうか。元死に神長ですから。
私『ですね。では、記憶のなかから質問です。流歌の悪い噂とはなんですか??』
蓮「そこか。それは、確かね、蘭が虐めに加担しているって噂かな。簡単に言えば、蘭から虐めが始まった。」………嘘。
私『意外…だ。』
蓮「でも、蘭は理由がないなら悪いことはしない。でもだからと言って僕が庇う理由もない。兄弟だからと言って、蘭を庇うのもおかしい。」
私『…どんな虐めだったんですか??』
蓮「ただ単純にハブってただけだよ。ほかにもいろいろしてたけど、言う必要はないと思う。」
私『………』何というか、真面目な人。真面目であり完璧な人。隙が見当たらない。元死に神だからか、必要な情報しか話さない。余計な言葉は首をしめる。それをよくわかっているみたいだ。そして
蓮「あと、僕は疲れた。記憶も少ない。君とも契約はしていない。僕は君と同じ仕事をしていた。契約しないと君は僕の解放をできないだろ??」
私に主導権が降りない。
私『でしたね。では契約内容は、私が知りたいことを教えて、です。』
蓮「OK。ではまた。」
私『では。』
流歌に声をかける。これは、長くなりそうだ。そして、違和感の正体はわからぬまま。それでも、私達の会話は聞かせられないと言うことだけは理解できる。そして、彼に今聞いても話さいと言うことも。
仕方ない。
私『行くよ。流歌。』
流「了解です。姉さん。」
この場をあとにする。

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