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これが私の仕事

第5章 第四夜

公園のベンチに座り込み、考える。どこに記憶はあるのだろうか。
私『…………うぁー眠い』
あの一件以来、寝ても寝ても疲れが取れない気がする…
死に神長は「自我の壁が治るまでは、ひどい眠気やダルさが取れないだろうと」言っていた。確かに、まだいろいろと悪い物を吸い込んでいる気がする。
なるほど。そりゃ疲れるわな。
誰も居ないし、誰にも見えないことを良いことにベンチに寝転がる。空は晴天。うむ。良いことだ。
どうするかなぁ…正直、子どもは苦手なんだよね…純粋すぎてやりにくい…真理也も純粋な子どもな気がする。
渚みたいに若干すれている子の方がやりやすい。シカトはうぜーけど。うーむ…悩みは尽きぬ。生きてても死んでても悩むなんて…人間て大変だなぁ…ちょうど空を優雅に一回転した鳥が目に入り、そんなことを思う。
まさか、死んでまで悩むとは……誰が考えるのだろうか…
おっと…いかんいかん。思考を戻さなくてわ。私は目を閉じ、真理也の事を考える。いきなり現れた少年。自分の名前に違和感を持つ少年。自覚しているのか、していないのかもよくわからない。
私『なんで気づかなかったんだろうか…それほど悩んでた??いや、もともとあそこに居なかった??私に気づいて寄ってきた??』わからない。それに、住宅街はよく行く。それなのに、今まで気づかないなんて事があるのだろうか。
私『考えてもわからん。動くか。』
私は立ち上がる。時刻は午後05時を回ったところ。
ク「そんな所で寝転ぶなんて、襲ってくださいって言っているものだよ。」
クロが居た。別に驚きはしない。
私『死んでっから大丈夫だろ。』
ク「確かにね。」
私『それに、生きていたらこんな事しないさ。恥ずかしい。』
ク「だろうね。さて、また話しを聞かせてよ。」
私『今動こうと思ったんだ。行かせろ。』
ク「なら戻ってからで良いよ。ただし、無茶は駄目だよ。君は今、脆い存在なんだから。」
私『わかってる。じゃな。』
ク「またね。」
クロに手を振り動く。とりあえず、住宅街を目指して。

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