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対峙

第4章 episode 3

「今まで気にしたこともなかった」

院長のこと。
ただ漠然と両親の知人だからって理由で拾ってもらえたものだと思ってたし、万が一知人じゃなくてもどうでもよかった。

「…真相がわかったら、ボクの今までは変わると思う?」

ボクは不安なだけ。
ひとりが怖いんだ。
出来ればボクと関係ないひとが元凶であってほしい。
もし院長が…?なんて考えたくもなかった。

「なにがどうであれお前はお前…なんて言ってほしい?」

俺は変わってほしいけどね、光彦にそう言われると不思議と不安は薄くなる。
変わってもいいか…そう思える。

「とりあえず聞いてみたら?思い過ごしってことも十二分にあるんだからさ」

「うん」

思い過ごしであってもなくても、光彦はボクを見捨てたりなんかしない。わからないけど、大丈夫な気がしたんだ。

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