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対峙

第2章 episode 1

それぞれの自己紹介を終え、ホームルームは終わった。

「誠二っ」

馴れ馴れしい…
さっきの犬みたいな奴がボクの名前を呼ぶ。

「…だれだっけ」

名前を知らない
正確には聞いてない。

「光彦、小林光彦だよ」

「ああ、ごめん」

ちゃんと聞いてろよ…
ブスッとしながら自然にボクの横に並ぶ。

「なに」

「なにって一緒に帰るの」

ああ、そう…
素っ気なく返事をしても光彦は゛みっちゃんって呼んで゙なんて言いながらまたニコニコ笑う。



いとも簡単にボクに入り込んできたわけだ。
拒絶され続けていたボクにとってそれは最高に心地よくて、最悪な不安をボクの中に落とした。

事実に近づいたらまた嫌われてしまうのだろうか

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