偽装結婚~代理花嫁の恋~
第3章 ★ 衝撃 ★
「あの歌が好きなの」
三鷹の腕に抱かれ、由梨亜は囁くように言った。
「今の歌?」
「ラブリー・デイっていうの。パク・シネっていう女の子が歌ってるんだけど」
「そうなんだ」
三鷹は片手で由梨亜を抱いたまま、器用にもう一方の手でリモコンをいじっている。
再び最初からラブリー・デイが流れ始めた。
「俺も好きだよ、この曲」
三鷹は曲のことを言ったにすぎないのに、由梨亜は情けなくも頬だけでなく身体中がカッと熱くなった。
「ご、ごめんなさい」
我に返るなり、由梨亜は急いで三鷹の腕から抜け出した。
「今夜、君は俺に何回謝れば気が済むんだ? 別に謝らなきゃならないようなことは何もしてないだろう」
三鷹は音声は韓国語にしたまま、画面を興味深げに見ている。愕いたことに、日本語のの字幕は出ていない。
「もしかして、三鷹さんは韓国語も話せるの?」
三鷹が謎めいた笑みで応えた。
「仕事で色々とね。喋らないといけないんだ。何しろ、君には疑われているけど、真面目な会社員だから」
「凄いわ、英語も話せるし、韓国語も喋れるなんて。一体、何カ国語、話せるの?」
半分は冗談で訊いたのだが、彼は事もなげに言ってくれる。
「うーん、フランス語と中国語、後はイタリア語くらい、かな?」
「凄すぎる。私とは生きてる世界というか次元が違うのね」
由梨亜が嘆息すると、三鷹は意味ありげな笑みを浮かべた。
「ところで、君。何で俺が英語が話せるって知ってるの?」
「え、それは―そのぅ、だから。三鷹さんはニューヨークに長く住んでいたっていうから、恐らくは英語が達者なはずだと」
もう、しどろもどろの由梨亜である。
「君は俺の仕事部屋を覗き見していただろ。由梨亜ちゃん」
念を押され、由梨亜はうなだれた。
「ごめんなさい。今度こそ、謝らなきゃ駄目よね。確かに、あなたの仕事部屋を覗いてたわ。ほんのしばらくだけだけど」
三鷹の腕に抱かれ、由梨亜は囁くように言った。
「今の歌?」
「ラブリー・デイっていうの。パク・シネっていう女の子が歌ってるんだけど」
「そうなんだ」
三鷹は片手で由梨亜を抱いたまま、器用にもう一方の手でリモコンをいじっている。
再び最初からラブリー・デイが流れ始めた。
「俺も好きだよ、この曲」
三鷹は曲のことを言ったにすぎないのに、由梨亜は情けなくも頬だけでなく身体中がカッと熱くなった。
「ご、ごめんなさい」
我に返るなり、由梨亜は急いで三鷹の腕から抜け出した。
「今夜、君は俺に何回謝れば気が済むんだ? 別に謝らなきゃならないようなことは何もしてないだろう」
三鷹は音声は韓国語にしたまま、画面を興味深げに見ている。愕いたことに、日本語のの字幕は出ていない。
「もしかして、三鷹さんは韓国語も話せるの?」
三鷹が謎めいた笑みで応えた。
「仕事で色々とね。喋らないといけないんだ。何しろ、君には疑われているけど、真面目な会社員だから」
「凄いわ、英語も話せるし、韓国語も喋れるなんて。一体、何カ国語、話せるの?」
半分は冗談で訊いたのだが、彼は事もなげに言ってくれる。
「うーん、フランス語と中国語、後はイタリア語くらい、かな?」
「凄すぎる。私とは生きてる世界というか次元が違うのね」
由梨亜が嘆息すると、三鷹は意味ありげな笑みを浮かべた。
「ところで、君。何で俺が英語が話せるって知ってるの?」
「え、それは―そのぅ、だから。三鷹さんはニューヨークに長く住んでいたっていうから、恐らくは英語が達者なはずだと」
もう、しどろもどろの由梨亜である。
「君は俺の仕事部屋を覗き見していただろ。由梨亜ちゃん」
念を押され、由梨亜はうなだれた。
「ごめんなさい。今度こそ、謝らなきゃ駄目よね。確かに、あなたの仕事部屋を覗いてたわ。ほんのしばらくだけだけど」