偽装結婚~代理花嫁の恋~
第4章 ★惹かれ合う心たち★
「家で食事しないんですか?」
「ああ、あまり食べないな。一人で食べても味けないだろ。だから、大抵は外食だよ」
「まだ若い中から外食ばかりしてたら、歳取って身体壊すんだから」
由梨亜は仕方がないので、あるものだけでフレンチトーストを作った。ボールに卵を割り入れ、ミルクと砂糖を入れる。十分にかき混ぜた中に小さく切り分けたパンを浸し、フライパンで焼く。
由梨亜が持参したエプロン姿で料理している間、三鷹もずっとキッチンにいた。
「こんなものしかできないけれど、外食よりは健康にも良いし、はるかに経済的だわ」
いかにも高価そうなボーンチャイナのプレートに乗せて、紅茶を付けて出した。
「美味(うま)そう」
三鷹は子どものように歓声を上げ、フレンチトーストに囓りついた。
「由梨亜ちゃん、良い奥さんになるね」
「貰ってくれる男がいればの話ですけどね」
由梨亜は負けずに応戦した。
「何なら、俺はどう? このまま籍入れちゃおうか?」
由梨亜はその冗談は無視して、やり過ごした。三鷹もそれ以上は追及してこない。
「今日の午前中は何をして過ごした?」
向かい合ってテーブルにつき、由梨亜も食べ始めるのを待ちかねていたように三鷹が問うてくる。
「ええと、三鷹さんが出勤してから、私も母の病院に行きました。それから、ここに戻ってきて部屋の掃除をして、あ、お風呂場も磨いたっけ」
「そんなことはしなくて良いんだよ」
三鷹がまた毎度の科白を繰り返すので、由梨亜は言った。
「別にたいしたことじゃないですよ。だって、一日中、何もすることがないのって、退屈だもの。明日はまたコンビニのバイトがあるから、少しは時間が潰せますけど」
「バイトなんかしてるんだ?」
「そりゃ、せめてバイトでもしなきゃ、現金収入がないじゃないですか。優雅なお坊ちゃまと違って、失業者は仕事なんて選んでいられいんだから」
「ああ、まだ俺のこと、信じてないね~。だから俺は」
「真面目な会社員でしょ、もう聞き飽きました」
由梨亜は向かいの三鷹をじろじろと見た。
「ああ、あまり食べないな。一人で食べても味けないだろ。だから、大抵は外食だよ」
「まだ若い中から外食ばかりしてたら、歳取って身体壊すんだから」
由梨亜は仕方がないので、あるものだけでフレンチトーストを作った。ボールに卵を割り入れ、ミルクと砂糖を入れる。十分にかき混ぜた中に小さく切り分けたパンを浸し、フライパンで焼く。
由梨亜が持参したエプロン姿で料理している間、三鷹もずっとキッチンにいた。
「こんなものしかできないけれど、外食よりは健康にも良いし、はるかに経済的だわ」
いかにも高価そうなボーンチャイナのプレートに乗せて、紅茶を付けて出した。
「美味(うま)そう」
三鷹は子どものように歓声を上げ、フレンチトーストに囓りついた。
「由梨亜ちゃん、良い奥さんになるね」
「貰ってくれる男がいればの話ですけどね」
由梨亜は負けずに応戦した。
「何なら、俺はどう? このまま籍入れちゃおうか?」
由梨亜はその冗談は無視して、やり過ごした。三鷹もそれ以上は追及してこない。
「今日の午前中は何をして過ごした?」
向かい合ってテーブルにつき、由梨亜も食べ始めるのを待ちかねていたように三鷹が問うてくる。
「ええと、三鷹さんが出勤してから、私も母の病院に行きました。それから、ここに戻ってきて部屋の掃除をして、あ、お風呂場も磨いたっけ」
「そんなことはしなくて良いんだよ」
三鷹がまた毎度の科白を繰り返すので、由梨亜は言った。
「別にたいしたことじゃないですよ。だって、一日中、何もすることがないのって、退屈だもの。明日はまたコンビニのバイトがあるから、少しは時間が潰せますけど」
「バイトなんかしてるんだ?」
「そりゃ、せめてバイトでもしなきゃ、現金収入がないじゃないですか。優雅なお坊ちゃまと違って、失業者は仕事なんて選んでいられいんだから」
「ああ、まだ俺のこと、信じてないね~。だから俺は」
「真面目な会社員でしょ、もう聞き飽きました」
由梨亜は向かいの三鷹をじろじろと見た。