偽装結婚~代理花嫁の恋~
第4章 ★惹かれ合う心たち★
「ご名答。由梨亜ちゃんを歓ばせるには、これがいちばんだと思って選んだんだよ? こっちは歓んで貰えるだろうと少しは自信があった。ニューヨークにいた頃の知り合いに機械いじりの上手なヤツがいてさ、その友達に頼んで作って貰ったんだから、世界で一つ、由梨亜ちゃんだけのオルゴールってところかな」
「世界で一つの私だけのオルゴール」
由梨亜の眼からポツリと大粒の涙が零れ落ちた。
「えっ、どうした? 俺、何かまずいことをしでかしたっけ」
三鷹は滑稽なほど狼狽えている。
「プレゼントが気に入らなかった?」
由梨亜はかぶりを振った。
「違うの。嬉しい。とっても、嬉しい。私のためにわざわざ色々と考えて選んでくれて」
由梨亜の眼からはとめどなく涙が溢れては落ちる。
「おいおい、頼むから、泣かないでくれよ。これじゃ、俺が君を苛めてるみたいじゃないか」
三鷹は弱り切ったように言い、躊躇いがちに由梨亜に手を伸ばし引き寄せた。
「なっ? 泣き止んでくれよ」
大きな手で髪を優しく撫でられている中に、由梨亜も次第に泣き止んだ。
「ごめんなさい。折角、プレゼントまで用意してくれたのに、泣いたりして。困らせちゃったわよね」
まだ涙の溜まった瞳で見上げると、三鷹は慌てて顔を背けた。
「参ったな。由梨亜ちゃんの泣き顔って、そそられるんだよね。可愛すぎてさ、思わずキスしたくなってしまうんだ」
三鷹は彼らしくもなく頬を少し上気させている。
「さあ、誕生日の続きをやろう。やっぱり、これがなきゃあ、誕生日とはいえないもんな」
三鷹は玄関まで走っていって、今度は大きな箱を抱えて戻ってきた。
「ジャジャーン、Nホテルの一流パテシィエが作った、これも由梨亜ちゃんのためのオリジナル・バースデーケーキ!」
紅いリボンを解き、蓋を開けて大きなケーキを取り出す。
「こんなに大きなケーキ、二人だけで食べきれるかしら」
「世界で一つの私だけのオルゴール」
由梨亜の眼からポツリと大粒の涙が零れ落ちた。
「えっ、どうした? 俺、何かまずいことをしでかしたっけ」
三鷹は滑稽なほど狼狽えている。
「プレゼントが気に入らなかった?」
由梨亜はかぶりを振った。
「違うの。嬉しい。とっても、嬉しい。私のためにわざわざ色々と考えて選んでくれて」
由梨亜の眼からはとめどなく涙が溢れては落ちる。
「おいおい、頼むから、泣かないでくれよ。これじゃ、俺が君を苛めてるみたいじゃないか」
三鷹は弱り切ったように言い、躊躇いがちに由梨亜に手を伸ばし引き寄せた。
「なっ? 泣き止んでくれよ」
大きな手で髪を優しく撫でられている中に、由梨亜も次第に泣き止んだ。
「ごめんなさい。折角、プレゼントまで用意してくれたのに、泣いたりして。困らせちゃったわよね」
まだ涙の溜まった瞳で見上げると、三鷹は慌てて顔を背けた。
「参ったな。由梨亜ちゃんの泣き顔って、そそられるんだよね。可愛すぎてさ、思わずキスしたくなってしまうんだ」
三鷹は彼らしくもなく頬を少し上気させている。
「さあ、誕生日の続きをやろう。やっぱり、これがなきゃあ、誕生日とはいえないもんな」
三鷹は玄関まで走っていって、今度は大きな箱を抱えて戻ってきた。
「ジャジャーン、Nホテルの一流パテシィエが作った、これも由梨亜ちゃんのためのオリジナル・バースデーケーキ!」
紅いリボンを解き、蓋を開けて大きなケーキを取り出す。
「こんなに大きなケーキ、二人だけで食べきれるかしら」