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童話 クロニクル

第4章  眠り姫の癒やし効果

『いやぁ、お…面白い、ね…クスクス、腹痛い~クスクス…』

「ちょっと、笑い過ぎよ!!」

私が怒鳴ると、眠り姫は軽く咳払いをして、丸めていた背筋をピンと直す。


それでよろしい!


『で、そのオオカミって、赤頭巾の下僕だよね?
ソイツがなんでココにいるの?』

『んなの知るか!!主人とこ戻ってきたんじゃねぇの?』


いかにも面倒くさいといった感じでシンデレラは大あくび。

「っていうか…下僕!?オオカミが!?いや敵同士でしょ!!」

私は思わず声を荒立てる。

『この世界に常識なんてモノは存在しないんだって』


わ、わかってるっつーの!
でも、パニックにはなるでしょ!!

『ならないね』
シンデレラが呟く。
き、聞こえてたの!?いや無いよ!心の声ですよ!?


「え、エスp…」


危なっ!
エスパーって言いそうになった。
また、変人扱いになるところだった。

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