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なつのおと

第4章 雨が降る




「…あずさお前、俺なんかじゃもったいね―よ」



「ははっハル、自分を下げすぎ」



俺の方に歩いてきてそのまま隣にすとんっと腰をおろす。


明るい髪がふわふわ揺れていた。



「フられた男に優しいとか言うなよ」


「確かにね。………ねえ。私に対して少しは愛があったかなあ?」


ポロポロと黒い涙を流しながらも笑うあずさはいつもの完璧な綺麗さはではないけど今までで一番可愛かった。



「…俺、あずさには本気で幸せになってほしいと思うよ」



微妙に答えをはぐらかしたが、その言葉は本音だった。



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