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なつのおと

第4章 雨が降る







「さよなら。側にいてくれてありがとう」





そっと囁かれてギュッと一度だけ腕に力を入れた。



その後、あずさは甘い香りを残して俺から離れて。



そして


俺を振り向かずに、真っ直ぐ



オレンジ色の廊下を歩いていった。





「こちらこそ、好きになってくれてありがとう」




俺の声は多分、小さすぎて届かなかっただろう。



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