なつのおと
第4章 雨が降る
「ミカちゃんもお仕事大変だねー」
「私のことは良いからさっさと帰りなさい!」
ミカちゃんを一言で言うならキレイめ女子。
どこかちょっと抜けてる所もあって…性格的にはまっちーと正反対だ。
「あっ田中さん忘れ物取りに来たんじゃ…?」
一緒に立っている彼女に声をかけて横を見たらバチっと目があった。
「えっあっそうだ。ごめんありがとう」
俺と目があった事にか、一瞬ビクついて慌ててから黒い髪を揺らして走っていった。
「うーん…改めて見るとやっぱりちょっと似てるかなあ…」
ミカちゃんがぽつりと言葉を漏らした。