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なつのおと

第4章 雨が降る




「みんなみたいにハルって呼んでよ」



頭をあげてまっすぐ田中さんと目を合わせる。



彼女の瞳の奥が微かに揺らいだのは気のせいだろうか?


そう感じたのは一瞬ですぐ振り返って昇降口へ歩いていってしまう。


「…気が向いたらね」


ああああ。



…そんな簡単には行かないみたいだ。



慌ててその背中を追いかける。


「待ってる!」



急にその背中がピタリと止まった。


え、俺まずいこと言いました?



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