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なつのおと

第5章 ふたりがいた夏 前編




地面もシュン以外の足跡はついていないし、人はここにはいないみたいだ。


気を抜いてドアに近づく。


少しだけ躊躇してからそのドアノブに手をかけた。


開かなかったらそれまでだ。


心臓がドキドキしているのがわかる。


足の裏がさっと冷えた気がした。



ゆっくり手に力を入れて、回す。



息を一瞬吸って




思い切り腕を引いた。




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